コロナ禍は、実体のない経済システムを露呈しました。
一般社団法人 地湧の杜(ちわきのもり)は、いのちから離れた経済に基づく社会システムに乗るのではなく、衣食住の基本に根ざした暮らしをベースに、無理をしない生活、それを人と人で相互に補い合う緩やかなつながりが支える場を創造し、地域と一体になって新しい社会づくりを目指していきます。
衣食住は人の暮らしに不可欠なものであると同時にそれぞれが密接に繋がっていて、切り離せず、生活の場の中で営まれます。
地湧の杜は、千葉県長生郡長南町蔵持の古民家を場として、この生活を実践し、研究、普及、啓発する場所として、新しいコモンズ的発想土台の上に創設されました。
特に、都会に住む人たちに対して、新しい気づきを生む小さな場づくりをして、気負わず、持続的に取り組み、「あたり前」のこととして衣食住に直接触れる機会を提供していきます。
また、出版部門を併設し、元地湧社代表の増田圭一郎が、地湧社の理念を継続して、来るべき“自覚の時代”に向けて、人と人、人と自然の新しいあり方の本を出版していきます。
本書『僕らが変わればまちが変わり、まちが変われば世界が変わる~トランジション・タウンという試み』は、榎本さんからお話を受けて、3年ほど前から増田が企画を進めてきましたが、新型コロナによる世界の混乱を眼前にして、榎本さんが一気に原稿を進めてくださいました。混迷の時代の突破口として実践活動されてきた記録として、地湧の杜の最初の1冊を出せることは望外の喜びです。
折しも、発行が東日本大震災から10年の節目となる3月になりましたので、初版発行日を3月11日とさせていただきました。本の完成と発送は若干遅れ、3月下旬となりますことをご了解ください。
一般社団法人 地湧の杜 増田圭一郎 2021年2月